テアニンとは、緑茶に含まれる旨み成分のことであり、お茶の味をマイルドにして甘味を引き立てる役割があります。また、そのほかにいくつもの嬉しい働きを持つ成分です。 今回は大正3年創業のほうじ茶専門店森乃園より、テアニンの摂取により得られる効果や注意点について解説していきます。テアニンの効果を活用したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
テアニンとは？
テアニンとはアミノ酸の一種であり、お茶のアミノ酸の半分以上がテアニンに該当します。テアニンはお茶特有のアミノ酸ですが、いくつもの体に良い働きがあることから、現在ではテアニンをサプリメントから摂取する方も増えました。
テアニンを多く含むお茶の種類
テアニンはさまざまなお茶に含まれていますが、お茶の種類によって含有量が異なり、またテアニンはお茶の若い芽に多く含まれるものの、成熟とともにその量が減っていきます。そのため、二番茶よりも一番茶の方がテアニンを多く含んでいます。
湯呑み1杯（80ml）で換算したテアニンの含有量は、以下を参考にしてください。
・抹茶36mg ・玉露34mg ・煎茶10mg ・番茶3mg
玉露や抹茶のように、日光を遮った状態で育てた茶葉から作られるお茶は、テアニンを豊富に含んだままの状態を維持できます。効率良くお茶からテアニンを摂取したいと考えている方は、抹茶や玉露を選ばれると良いでしょう。
テアニンが含まれる食品はある？
テアニンは一部のきのこを除き、基本的にお茶以外の食品には含まれていません。テアニンはお茶特有の成分であるため、テアニンを意識的に摂取したい場合には、お茶またはサプリメントの活用が主になると考えてください。
テアニンの効果とは？
テアニンはさまざまな体に良い働きを持ちます。この章では、テアニンを摂取するメリットについて詳しく説明します。
テアニンの効果 1.リラックス効果を得られる
テアニンは脳にα波を増加させる働きを持ち、リラックス状態を促進します。この効果は、緊張状態が続きやすい現代人にとって特に役立つでしょう。
テアニンの効果 2.集中力が持続しやすくなる
テアニンはリラックス効果を持ちながらも、集中力を高める働きがあります。カフェインと一緒に摂取すると相乗効果が得られ、疲れずに長時間の作業や学習に集中できるとされています。
テアニンの効果 3.睡眠の質を向上させる
十分な睡眠時間を確保していても眠い、疲れが取れない時には睡眠の質が悪くなっている可能性があり、睡眠の質の低下は、健康を害したり集中力を下げたりする原因になるでしょう。 テアニンは交感神経を抑制するため、心拍数が落ち着き、より深い眠りを得やすくなります。夜中に目が覚めてしまう、なかなか寝付けないという方は、就寝前にテアニンを摂取してみてください。
テアニンの効果 4.ストレスを軽減する
テアニンにより脳がリラックスできる環境が整えば、心身を活動的にする交感神経が抑えられ、ストレスによるイライラ、不安を少なくする効果が期待できます
テアニンの効果 5.記憶力が高まり学習効果が出やすくなる
テアニンは、脳の神経細胞を保護し、記憶力や学習能力を向上させる効果があるとされます。認知機能が衰えるのを防ぎたい中高年の方にとって、有用な成分であると言えます。
認知機能の低下を防ぐ
テアニンは神経細胞の損傷を抑制し、脳の老化スピードを抑えることで、認知機能の低下を防ぎます。最近物忘れが増えたと感じている方は、日常的にテアニンを摂取すると良いでしょう。
テアニンの効果 6.月経前症候群を改善する
月経前の体調不良・憂鬱・イライラなどの症状を月経前症候群と呼びます。テアニンによりリラックスできる環境が整うことで、月経前の辛い症状の緩和が期待できます。
テアニンの効果 7.冷え性を改善する
α波が増加する効果は脳のみでなく全身の筋肉にも表れ、筋肉の緊張が緩むことで血管が広がり、血流が良くなるとされています。その結果として、全身の血行が促されて冷え性を緩和できます。 根本的な冷え性の改善には、継続的にテアニンを摂取しながら適度な運動や生活習慣の改善、身体を締め付けない衣服を身に着けるといった取り組みを行いましょう。
テアニンの効果 8.美肌効果を得られる
テアニンの血行促進やストレス緩和効果は、女性の肌を美しくします。また、テアニンは美肌に欠かせない成分であるコラーゲンとヒアルロン酸の合成を促進する働きも持っています。このような理由から、テアニンを配合した基礎化粧品も増えています。
テアニンの効果 9.高血圧を予防する
テアニンは脳細胞の働きを活性化するため、血圧が上がり過ぎる問題を予防して高血圧予防につながる効果が期待できます。ただし、高血圧治療薬の投与を行っているときにテアニンを多く摂取すると、血圧が下がり過ぎてしまう恐れがありますので、注意しましょう。
テアニンの推奨摂取量とは？
テアニンの推奨摂取量は1日200mgだと考えられていますが、テアニンの過剰摂取が健康に悪い影響を与えるリスクは非常に低いため、特別に注意を払う必要はありません。
テアニン以外の成分の過剰摂取に注意するべき
テアニンは多く摂取しても体に悪い影響が出るとは考えにくい成分ですが、お茶に含まれるカフェインやシュウ酸は過剰摂取による不調を招きます。 カフェインの過剰摂取は睡眠障害・震え・吐き気・めまいなどにつながるリスクが高く、シュウ酸の過剰摂取は尿路結石の原因になります。テアニンをお茶から摂取しようと考えている方は、テアニンではなく他の成分の過剰摂取に注意しましょう。
カフェインの過剰摂取の問題
特にテアニンを多く含む玉露は、カフェインの含有量が多いお茶として知られており、玉露100ml中には、160mgものカフェインが含まれているのです。 健康な成人のカフェイン摂取上限量は400mgであり、玉露を300ml飲むとカフェインを過剰摂取してしまいます。さらにカフェインはコーヒーや他の種類のお茶にも含まれているため、テアニン摂取が目的の取り組みで、カフェインを摂り過ぎないように注意してください。 飲み物からのカフェインの過剰摂取を避けるためには、緑茶やほうじ茶などカフェインの含有量が少ないお茶からテアニンを摂取すると良いでしょう。
テアニンを摂取する時に知っておくべき注意点
テアニンの良い効果を期待して、積極的に摂取量を増やそうと考えている方は、次の注意点を知りましょう。テアニンは体に嬉しい効果が多い成分ですが、誰にでも良い効果のみが表れるとは限りません。
血圧を下げる薬を服用している方は医師への相談が必要
現段階で血圧を下げるための薬を服用している方は、テアニンの摂取により血圧が下がり過ぎる可能性があります。 特にテアニンをサプリメントで摂取しようと考えている場合は、必ず医師に相談してください。テアニンが含まれているサプリメントに限らず、服用している薬がある方は、サプリを飲む際は医師に相談しましょう。
粗悪なサプリメントを購入しないように注意する
テアニンの良い効果が一般的になったことで、テアニンを含む数多くのサプリメントが流通しています。しかし、中には粗悪なサプリメントが存在することも知っておかなければいけません。 テアニンのサプリメントを探す場合には、販売元や製造環境だけでなく、利用者の口コミも見ながら、安心して服用できるものを見つけてください。 健康的かつ安全にテアニンを摂取したいと考えている方は、サプリメントではなくお茶からテアニンを取り入れることをおすすめします。
テアニンの最適な摂取タイミングとは？
テアニンの摂取タイミングは、その効果を期待する目的に合わせて調整します。より得られる効果を高くするためにも、適切な摂取タイミングを知っておきましょう。
集中力を高めたい方は朝または日中
集中力を高めたいと考えている場合には、朝や日中にテアニンを摂取してください。テアニンの効果で脳のα波が増えることで、勉強や仕事に集中しやすい状態になります。このような理由から、お茶は一日のスタートに適した飲み物だと言えるでしょう。
リラックス効果を得たい場合はリラックスタイムの前
上手にリラックスできないと考えている方は、リラックスタイムの40分〜1時間程度前にテアニンを摂り入れておきましょう。 バックミュージックや部屋の明るさも、自分が心地良いと感じるものに変えれば、毎日のストレスを緩和する特別なリラックスタイムを過ごせるようになります。ただし、玉露や抹茶にはカフェインが多く含まれていますので、注意しましょう。
まとめ：お茶に含まれるテアニンの効果とは？
いかがでしたか？今回の内容としては、
・テアニンは緑茶に含まれる旨み成分で、心身の健康をサポートする成分である
・テアニンはリラックス効果、集中力の維持など幅広い効果が期待できる
・テアニンは玉露や抹茶に多く含まれ、効率的に摂取できる
・摂取の際にはカフェインや他の成分の過剰摂取に注意が必要
以上の点が重要なポイントでした。お茶には様々な嬉しい成分が含まれていますが、テアニンもその一つ。テアニンを活用することで、より快適な生活を送るサポートが期待できるでしょう。
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