カリウムは、私たちの体に欠かせない重要なミネラルの一つです。細胞内外の浸透圧を調整し、塩分のバランスを整える役割を持つカリウムは、健康を保つために適量を摂取する必要があります。
しかし、カリウムは不足しても過剰に摂取しても、体にさまざまな不調を引き起こす可能性があります。
今回は大正3年創業のほうじ茶専門店森乃園より、カリウムの基本的な役割、1日に必要な摂取量、そして不足や過剰摂取による影響について詳しく解説し、特に腎臓とカリウムの関係についても考察します。
また、腎臓に負担をかけない飲み物として注目されている「ほうじ茶」のカリウム含有量にも触れ、カリウム制限が必要な方に役立つ情報をお届けします。
そもそもカリウムとは?
カリウムは人間の体に必要なミネラルの一つであり、体内で細胞の浸透圧を維持したり、水分を保持するなどの役割を持ちます。
人間はミネラルを体内で作ることができないことから、カリウムを食事や飲み物から摂取しなければいけません。
カリウムの働きと効果
カリウムは、細胞の内側にある細胞内液の浸透圧をコントロールして安定させる役割や、体液のpHバランスを保つ役割、塩分(ナトリウム)を体外に排出し、塩分バランスを整える役割などがあります。
1日に必要なカリウムの摂取基準量
日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、体内のカリウム平衡を維持するために適正と考えられるカリウム量は、18歳以上の男性の場合1日に2,500mg以上、女性は2,000mg以上の摂取が必要だと考えられています。さらに生活習慣病や高血圧を予防するためには、より多くのカリウム摂取が望まれます。
一般的には、腎臓が健康な方やカリウムのサプリメントを使用していない方は、カリウムを過剰摂取する危険性が少ないことから、耐容上限量は設定されていません。
腎臓とカリウムの関係
腎臓は、主に血液をろ過して尿を作ったり、余分な塩分を尿として排出する役割があり、食事や飲み物から摂取したカリウムの大部分は腎臓で排泄されます。
カリウム量は、腎臓での再吸収の調節によって維持されているのですが、腎臓の機能が低下するとカリウムを十分に排出できなくなり、高カリウム血症という状態に陥る可能性があります。
そのため、カリウムが体内にたまってしまう腎臓病の患者は、カリウム摂取量を管理する必要があります。
低カリウム血症について
カリウムは不足、過剰の両方を避けるべきミネラルであり、血液中のカリウム濃度は3.5〜5.0mEq/Lが正常範囲となっています。
この濃度が3.5mEq/L以下になる状態を低カリウム血症と呼び、低カリウム血症は、食欲不振や偏食によるカリウムの摂取不足以外に、体外へのカリウム排出量が多かったり、細胞内にカリウムが取り込まれてしまうなどの問題で起こります。
低カリウム血症の症状
カリウム不足が原因で起こる低カリウム血症では、次のような症状が表れます。
- 筋力低下
- 筋肉痛
- 悪心
- 嘔吐
- 便秘
- けいれん
- 不整脈
長期間利尿降圧剤を使用している方はカリウムが不足しやすいため、注意が必要です。
高カリウム血症について
次に、血液中のカリウム濃度が5.5mEq/L〜を超えた場合の、高カリウム血症について説明します。高カリウム血症の原因には、サプリメント等によるカリウムの過剰摂取、腎臓の機能低下などが挙げられます。
高カリウム血症の症状
高カリウム血症の患者は、次のような不調が現れやすくなります。
- 吐き気
- 嘔吐
- しびれ
- 脱力感
- 不整脈
カリウムの過剰摂取が続くと、血中カリウム濃度が上昇して腎臓のみでなく心臓にも負担がかかってしまいます。
そのため、高カリウム血症と診断された場合には、1日に摂取するカリウムの量を1,500mg以下に抑える必要があります。
ほうじ茶は腎臓に良いお茶なのか?
「ほうじ茶は腎臓に良いお茶である」と考えている方もいるようです。
しかし、ほうじ茶自体に腎臓の働きを良くする作用はありません。ほうじ茶が腎臓に優しいという意見が存在する理由には、ほうじ茶の次のような特徴が関係していると考えられます。
ほうじ茶に含まれるカリウムの含有量が少ない
ほうじ茶に含まれるカリウムの量は、100mlあたり24mg程度です。ほうじ茶は製造工程で茶葉を強火で焙じるために、カリウムやリンの含有量が控えめになっています。
そのため、その他のお茶と比較してカリウムが少ないことから、腎臓にかかる負担が少なく、カリウム制限が必要な方でも飲みやすいお茶であると言えます。
ほうじ茶以外のお茶に含まれるカリウムの含有量は、以下を参考にしてください。
- 玉露340mg/100ml
- 抹茶81mg/100ml
- 番茶32mg/100ml
ほうじ茶はカフェインも控えめ
カリウムと同じように、ほうじ茶の製造過程ではカフェインも減少することから、渋みが少なく飲みやすい味わいに仕上がります。ほうじ茶はカフェインの過剰摂取に気をつけている方にも、おすすめの飲み物だと言えるでしょう。
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リラックスできる香ばしい香り
ほうじ茶特有の香ばしい香りは、心と体をリラックスさせる効果があります。体調が優れない時やストレスを感じる時にほうじ茶を飲むことで、ほっとしたひと時を過ごせると考えてください。
ほうじ茶以外のカリウムの含有量が少ない飲み物の例
ここでは、ほうじ茶以外のカリウムの含有量が少ない飲み物を一覧にしました。カリウムの過剰摂取が気になるという方は、ぜひ参考にしてください。
- 紅茶
- 烏龍茶
- 煎茶
- 麦茶
- 玄米茶
その他にも、カリウムの含有量が少ない清涼飲料水やジュースもあります。しかし、糖分の過剰摂取を控えるためには、カリウムの含有量が少ないお茶を選ぶべきでしょう。
カリウムの過剰摂取が気になる方は食べ物からの摂取量もチェックするべき
カリウムは飲み物のみでなく食べ物にも含まれています。カリウムの過剰摂取を控えたいと考えている方やカリウム制限が必要な方は、カリウムを豊富に含む食べ物にも注意してください。
- 昆布8200mg/100g
- 干しひじき6400mg/100g
- 切り干し大根3500mg/100g
- ドライマンゴー1000mg/100g
- 蒸し大豆810mg/100g
- ひきわり納豆700mg/100g
- ほうれん草690mg/100g
- 干し柿670mg/100g
- 里芋660mg/100g
- 枝豆650mg/100g
- さわら610mg/100g
- アボカド590mg/100g
- 真鯛500mg/100g
この一覧を見ると分かるように、カリウムは肉や魚よりも海藻類や野菜に多く含まれていると言ええます。
まとめ
今回の内容としては、
- カリウムは細胞の浸透圧や塩分のバランスを整える重要なミネラル
- カリウムの不足は筋力低下や不整脈などの健康リスクを引き起こす
- 過剰摂取による高カリウム血症は、心臓や腎臓に影響を及ぼす可能性がある
- ほうじ茶はカリウム含有量が少なく、カリウム制限が必要な方におすすめ
- その他のカリウム含有量が少ないお茶や飲み物もあるため、選択肢を増やすことが可能
以上の点が重要なポイントでした。
カリウム制限が必要な場合、ほうじ茶や他のお茶を選びつつ、適切な食事管理を行うことで、腎臓への負担を減らすことができるでしょう。