茎茶とは、文字通り葉ではなく茶の茎部分で作られたお茶を指しています。はじめて茎茶という言葉を耳にする方は、「茎から作られるお茶」に驚くこともあるようですが、茎茶は多様な日本のお茶文化の中で生まれた伝統的なお茶の一つです。さらに茎茶には、他のお茶と異なる優れた効能もあるのです。
今回は、大正3年創業のほうじ茶専門店森乃園より、茎茶に含まれる栄養素や効能とともに、茎茶の特徴をテーマにお届けしていきます。茎茶に興味があるという方は、ぜひ参考にしてください。
茎茶とは何か?
茎茶は葉ではなく茎を使って作られるお茶の総称であり、具体的にはお茶の新芽のすぐ下に位置する茎部分が原料になります。葉から作られる煎茶や玉露の製造工程の仕上げ加工では選別機を使い、茶を葉・茎・枝などに分類し、茎茶の原料が取り出されます。
茎茶には複数の呼び方がある
茎茶は複数の名前を持ち、「棒茶」「雁ヶ音(かりがね)」と呼ばれることがあります。特に高級な茶葉から作られた茎茶は、渡り鳥の雁が体を休めるために止まる小枝を由来として「雁ヶ音」と呼ばれ、重宝されています。
茎茶は日本茶愛好者から高い人気を集めている
茎茶は茶葉の製造過程で生まれる副産物であり価格が安いことから、「二級品」と思われる方もいますが、実際は茎茶には葉でできたお茶とは異なる香りや甘味があります。特に高級な茎茶は独特の風味が楽しめ、日本茶愛好者から高い人気を集めているのです。
茎茶の味や香りの特徴
茎茶の味や香りには、次のような特徴があります。
ほんのりした甘味があるまろやかな味わい
茎茶は葉から作られるお茶よりも旨み成分「テアニン」が豊富に含まれており、お茶にすることでほのかな甘味とまろやかな味わいを楽しめます。渋味と苦味が少ないため、お子様でも飲みやすいテイストだと言えるでしょう。
飲み心地がさっぱりとしていることから、さまざまなシーンで活用できます。特に甘いものとの相性が良く、和菓子のみでなくチョコレートなどの洋菓子にも合わせられます。
爽やかな香り
茎茶は爽やかな香りで気分転換をしたい時の飲み物として最適であり、休憩時間や食事とともに飲むお茶にもおすすめです。また、茎茶を使って作られたほうじ茶は、清涼感と同時に香ばしい香りも楽しめます。茎茶は製茶の方法によって、香りが大きく変わります。
日常的に茎茶を飲むメリット
普段口にする飲み物を茎茶に変えることで得られるメリットには、次のようなものがあります。
テアニンが豊富でリラックス効果が高い
テアニンはリラックス効果が得られる成分です。日光を浴びることで分解されてしまうため、日光が当たる面積が少ない茎部分で作られる茎茶は、葉から作られるお茶よりもテアニンを豊富に含んでいます。
普段からストレスを感じている方や気分転換をしたい時には、茎茶が最適だと言えるでしょう。
苦味・渋味が少なくブレンドしやすい
日光により分解されたテアニンは、お茶の苦味・渋味の元であるカテキンに変化します。茎茶はテアニンがカテキンに変化する量が少ないことから、苦味・渋味が少なくさっぱりとした味わいになるのです。
そのため、麦茶など他のお茶とのブレンドにも適しており、自分好みの味のブレンドティー作りに使いやすいでしょう。ブレンドティーに適したお茶を探している方は、茎茶を取り入れてみてください。
茶柱が立つことも…
茎茶の意外なメリットとして、茶柱がたつことがある…というのも挙げられます。茶柱は昔から「縁起が良い」と言われており、茎茶を活用することで幸せな気分を味わえます。
環境に優しくリーズナブル
具体的な値段は商品によって異なるものの、茎茶は比較的リーズナブルな価格で販売されていることが多いです。
高級茶でも茎茶の場合は手頃な価格で手に入るケースもあり、普段使いのお茶にもぴったりだと言えるでしょう。また、茎茶は茶葉の製造過程で生まれる副産物の一つに該当するため、環境に優しい持続可能な製品として高い評価を集めています。
茎茶に含まれる栄養と効能とは?
続いて、茎茶に含まれる栄養素とその効能について見ていきましょう。これから茎茶を楽しみたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
リラックス効果につながるテアニン
先ほどもお伝えしたように、茎茶は葉から作られるお茶よりもテアニンが豊富に含まれています。テアニンは茎茶の旨み成分であり、茎茶独特の味わいを生み出しています。また、テアニンはリラックス効果の他に睡眠の質を向上させる作用もあります。
葉酸が含まれている
茎茶には葉酸も含まれています。葉酸はビタミンB群の一種であり、摂取量が不足すると貧血を起こす可能性が考えられる栄養素です。しかし、現代人は葉酸が不足しやすい生活を送っていると言われており、特に妊娠中の女性は葉酸を積極的に摂取する必要があります。普段から茎茶を飲むことで、葉酸不足の予防につながるでしょう。
脂肪の吸収を抑えるカテキン
葉から作られるお茶よりも少ない量ではあるものの、茎茶にもカテキンが含まれます。カテキンには脂肪やコレステロールの吸収を抑える働きや抗酸化作用があり、健康的な体調と若々しい見た目を維持するために効果的です。
茎茶以外のお茶の副産物
葉から作られるお茶を作る過程では、茎茶以外にもいくつかの副産物が生まれ、茎茶のように独特の風味を持つお茶として活用されています。続いて、茶葉を生産する過程で生まれる副産物のお茶について見ていきましょう。
芽茶
芽茶とは、茶葉の先の細い部分のみで作られたお茶であり、高級茶の原料である一番茶、または二番茶から生まれます。芽茶にはお茶の旨みがたっぷりと含まれているため、濃い味を楽しめるという特徴を持ちます。また、カフェインが多く茶葉が開きにくいことから、同じお茶を何度も楽しめます。
頭柳
頭柳は、「頭」と呼ばれることもあるお茶で、お茶を製造する際に出る大きい茶葉を活用して作られます。柳のように片目で平たい形状をしており、清涼感がある味わいです。
粉茶
粉茶とは煎茶を製造する際に生まれる、砕けて細かくなった茶葉を集めて作られた粉状のお茶のことを指します。寿司屋などで提供されており、食後に飲むお茶に適したさっぱりとしたテイストです。熱いお湯で簡単に淹れられるという特徴もあります。
茎茶(緑茶のとき)の正しい淹れ方
美味しく淹れるためには、適切な温度と時間が重要です。まず、茶葉の量は一人分約3g(ティースプーン1杯程度)を目安にし、急須に入れます。お湯の温度は80℃程が最適で、茶葉の風味を引き出すのに理想的です。
1分程度蒸らして抽出が終わったら、急須から茶碗に均等に少しずつ注ぎ、最後の一滴までしっかり注ぎ切ることがポイントです。二煎目以降も楽しめますが、高めの温度(90℃)で蒸らし時間を短めにするのがコツです。これにより、茎茶本来の軽やかな風味がしっかりと楽しめます。
※森乃園の『棒ほうじ茶』は熱湯で3分程度抽出するだけで美味しくお召し上がりいただけます!
まとめ:茎茶(棒茶)の優れた効能とは?
いかがでしたか?今回の内容としては、
・茎茶は葉ではなく茎を使って作られるお茶の総称である
・茎茶には葉でできたお茶とは異なる香りや甘味がある
・茎茶にはテアニンや葉酸が含まれている
・茎茶にはリラックス効果がある
以上の点が重要なポイントでした。茎茶は茶葉にはない味わいがありますので、これまで口にされたことのない方はぜひ一度試されてみてはいかがでしょうか。
森乃園の棒ほうじ茶をぜひお試しください
お茶はただの飲み物ではなく、心を癒し、時間を豊かにする存在です。森乃園の棒ほうじ茶は、その香りの深さと味わいの広がりによって、贅沢なお茶の時間を演出します。
創業以来、森乃園は伝統を守りながら、最高品質のお茶を追求してきました。そのこだわりが詰まった「棒ほうじ茶」は、厳選された原料と熟練の焙煎技術によって生み出される、至高の一杯です。お客様一人ひとりに特別な時間を提供するため、常に品質向上を目指し続けています。
是非、森乃園の棒ほうじ茶で心温まるひとときをお楽しみください。