緑茶とほうじ茶の違いとは?

緑茶とほうじ茶の違いとは?

 

「緑茶とほうじ茶はどのような違いがあるのだろう…」

緑茶とほうじ茶は見た目や風味が異なりますが、同じ茶葉からできていることを知っていますか?

私たちが目にするお茶は、緑茶が緑色・ほうじ茶が茶褐色であるため、別のものから作られているように見えます。しかし、それぞれのお茶の元を辿れば同じ茶葉から作られているのです。

 今回は、大正3年創業のほうじ茶専門店森乃園より、緑茶とほうじ茶の違いをテーマにお届けしていきます。ほうじ茶と他のお茶の違いを知りたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

 

ほうじ茶は緑茶の一種類に含まれる

緑茶と聞くと、文字通り「緑色のお茶」をイメージする方が多いかと思いますが、緑茶は発酵させずに作ったお茶を指す総称です。

 そのため緑茶には、煎茶・玉露・かぶせ茶・番茶など、さまざまなお茶の種類が含まれます。ただし現代ではペットボトル飲料などで煎茶が流通しているため、一般的に「煎茶=緑茶」のイメージが定着しているようです。

 また、緑茶の一種である煎茶・番茶・茎茶などを焙じて作られる一部のお茶が、ほうじ茶と呼ばれます。日本で生産されるほとんどのお茶は緑茶であり、ほうじ茶も緑茶に該当します。

 

緑茶の種類とは?

緑茶と一口に言っても、煎茶・番茶など、多くの種類があります。続いて、緑茶の代表的な種類について見ていきましょう。

 

煎茶(せんちゃ)

煎茶は蒸し時間が短いお茶であり、薄く透き通った山吹色をしています。日光を十分に浴びて育ち、新芽を摘んで揉みながら乾燥して仕上げます。

すっきりとした苦味で飲みやすく、ペットボトル飲料としても人気を集めている緑茶の一種です。緑茶と言われた時に、まず煎茶を思い浮かべる方が多いでしょう。

 

番茶(ばんちゃ)

番茶は、9月頃から摘まれる硬めの茶葉や茎で作られます。独特の渋味が特徴的で、ほうじ茶の原料として使われることもあります。渋みがありますが、昔から普段使いのお茶として親しまれています。

 

玉露(ぎょくろ)・かぶせ茶

玉露・かぶせ茶はお茶を摘み取る前の一定の期間、日光が当たらないようにして栽培された茶葉で作られます。そのため、旨みが強く渋みが少ない特徴的な味わいに仕上がります。お茶は鮮やかな緑色であり、緑茶の中でも高級茶として扱われています。

また、日光を遮る期間が10日前後のものはかぶせ茶、20日前後のものが玉露に分類されます。

 

茎茶(くきちゃ)

茎茶は茶葉ではなく茎のみで作られるお茶であり、甘味と爽やかな香りが特徴的です。ほうじ茶の原料としても使われます。

 

緑茶とほうじ茶の作り方の違いとは?

緑茶とほうじ茶は同じお茶から作られますが、その製造方法の違いによって別の飲み物に変わります。日本茶業中央会が定めている緑茶の表示基準では「煎茶や番茶などを強い火で焙って製造したもの」がほうじ茶であると定義されています。

 

ほうじ茶はお茶を火にかけて高温で炒めて作られる

「お茶を焙じる」(ほうじる)とは、お茶を火にかけて炒めることを指しています。コーヒーの焙煎と同様の工程と考えるとわかりやすいですね。

その製造過程で火加減や焙じる時間を調整し、各商品特有の風味のほうじ茶が作られます。ほうじ茶の焙煎方法には、緑茶の渋味をある程度残す浅煎りと、渋みや苦味成分が減少する深煎りの2種類が存在します。

 

ほうじ茶ができるまでの流れとは?

続いて、ほうじ茶ができるまでの工程について見ていきましょう。

STEP1.茶葉を摘み取る

最初に、茶葉の摘み取り作業を行います。ほうじ茶にはお茶の葉または茎部分が活用されます。

STEP2.茶葉を蒸して冷却・乾燥する

摘み取ったお茶を蒸気で蒸して蒸し終わった茶葉を冷まし、その後揉みながら乾燥させます。

STEP3.揉み込む

次に、熱を加えずに茶葉に力を加えながら揉み込みます。

STEP4.再度熱を加えて茶葉を揉み込み乾かす

揉み込んだ茶葉に再度熱と力を加えた上で、十分に乾かします。ここまでの行程は、煎茶とほうじ茶の作り方に大きな違いはありません。

STEP5.焙煎して仕上げる

最後に、茶葉を選別してから焙煎していきます。煎茶の場合は110度〜120度、ほうじ茶は180度〜200度程度の温度で焙じます。この仕上げの工程が煎茶とほうじ茶を区別すると考えてください。

 

他の緑茶とほうじ茶の違いとは?

先ほどお伝えしたように緑茶にはいくつもの種類が存在し、ほうじ茶も緑茶の一種に含まれます。しかし、ほうじ茶には他の緑茶とは異なる特徴がいくつも存在します。続いて、ほうじ茶の代表的な特徴について見ていきましょう。

 

ほうじ茶は茶褐色で香ばしい香りがある

他の緑茶が、青みがある緑色や山吹色をしているのに対して、茶葉を焙じたほうじ茶は茶褐色です。また、ほうじ茶には焙煎過程で生まれる「ピラジン」という成分が含まれます。

このピラジンはほうじ茶独特の香ばしく安らぎを感じる優しい香りの元となり、脳をリラックスさせる効果があるのです。ほうじ茶の香りをより楽しみたいという方は、沸かしたての熱湯を使ってほうじ茶をいれてください。

 

ほうじ茶は苦味や渋みが少なく飲みやすい

ほうじ茶は茶葉を高温で炒る過程で、苦味と渋味成分であるタンニンが少なくなります。そのため、その他の緑茶と比較して苦味や渋みがない、さっぱりとした味わいに仕上がります。

 特に茶の茎を原料とするほうじ茶は甘味が強調され、お子様にも飲みやすいテイストです。

 

ほうじ茶はカフェインが少なめで誰でも楽しめる

抽出したお茶100gあたりに含まれるカフェインの量はほうじ茶が20mg、玉露は160mgです。ほうじ茶はお子様や年配の方でも飲みやすいだけでなく、覚醒効果が低くリラックス効果が高いお茶だと言って良いでしょう。

カフェイン特有の利尿作用も抑えられることから、ほうじ茶は水分補給を目的とした飲み物にも適しています。また、ほうじ茶のカフェインの量は紅茶やコーヒーと比較しても少ないです。

 

体が芯から温まる血管拡張作用がある

ほうじ茶に含まれるピラジンには、血管を拡張させて体を温める効果もあります。そのため、ほうじ茶を飲むと血流の流れが良くなり体を芯からポカポカに温められるのです。

 ほうじ茶は、特に寒い時期や冷え性の方におすすめの飲み物だと言えるでしょう。

 

心がほっと落ち着くリラックス作用

ほうじ茶にはアミノ酸の一種であるテアニンが含まれています。テアニンもピラジンと同じく心身をリラックスさせる働きを持つため、心をほっと落ち着かせる作用を得られるのです。

ストレスを抱えていると感じる方は、ほうじ茶を飲んで一息つく時間を習慣化させると良いでしょう。

 

食後の脂っぽさを解消できる

ほうじ茶は食後の口に残る脂っぽさを洗い流す作用があります。そのため、ほうじ茶は飲食店で食後のお茶として提供されることも多くあります。口の中に食事の脂っこさが残っていると感じる時には、ほうじ茶を飲んでみてください。

 

ほうじ茶を含む緑茶を飲むことで得られる嬉しい効果とは?

ほうじ茶には、その他の緑茶と同じように健康を促進する代表的な成分であるカテキンが含まれています。ここでは、カテキンの摂取により得られる嬉しい効果について見ていきましょう。

 

ダイエット促進効果

カテキンは腸から糖の吸収を抑える働きを持つことから、食後の血糖値の上昇を防ぎます。特にパンや麺類など糖質が多い食事をする時には、ほうじ茶などのお茶を口にすると良いでしょう。

 腸で糖の吸収が緩やかになれば、血糖値の急激な上昇を抑えられます。結果的に、血糖値の急上昇により体が脂肪を溜め込む問題を少なくできます。

 

コレステロールを抑えて排出する

動脈が硬くなり血液が流れにくい状態に陥ると、冷え性や老化のみでなく脳梗塞や心筋梗塞などさまざまな疾患を招く可能性があることをご存じでしょうか?カテキンには、食事中のコレステロールを抑えて排出を促す働きがあり、動脈硬化を予防します。

 

老化につながる酸化を抑える

お茶に含まれるカテキンには抗酸化作用があり、老化を防止したり生活習慣病を予防したりする効果が得られます。さらに、肌を若々しく保つ作用も保つことから、エイジングケアに興味がある方は積極的にほうじ茶などのお茶を飲むべきでしょう。

 

口臭や虫歯を予防する

カテキンは虫歯や口臭の原因であるミュータンス菌の増殖を抑えます。ミュータンス菌が多い状態を放置すると、ミュータンス菌は歯を溶かして破壊し、虫歯を作ってしまうのです。虫歯の中に食べかすが蓄積すると、より口臭が強くなる恐れがあります。

 

ほうじ茶は自宅でも作れる

ほうじ茶は緑茶に熱を加えたものであるため、あくまで簡易的ではありますが、自宅で作ることもできます。ほうじ茶を作る際にはフライパンに緑茶の茶葉を入れ、弱火でじっくり時間をかけて熱を加えてください。10分程度経過し、緑色の茶葉が茶色に変われば完成です。

火力が強いと茶葉が焦げてしまうので、注意しましょう。より簡単にほうじ茶を作りたいという方は、クッキングシートを引いた上に茶葉を均一に並べ、600Wで8分程度電子レンジで加熱するという方法もあります。

 

まとめ:緑茶とほうじ茶の違いとは?

いかがでしたか?今回の内容としては、

・緑茶は発酵させずに作ったお茶を指す総称

・緑茶と一口に言っても、煎茶・番茶など、多くの種類がある

・煎茶や番茶などを強い火で焙って製造したものがほうじ茶

・ほうじ茶は他の緑茶と比較して苦味や渋みがない、さっぱりとした味わいである

以上の点が重要なポイントでした。緑茶というと、文字からして緑色したお茶、というイメージを持たれていた方もいたかと思います。

 

しかし、ほうじ茶も緑茶の一種であり、焙煎の違いによってほうじ茶と呼ばれる…ということを知ると、何だか興味が湧いてきますよね。美味しいほうじ茶をお探しの方は、森乃園のほうじ茶をぜひお試しください。

 

 

大正3年から続く老舗の味をぜひ一度お試しください

森乃園の自家焙煎ほうじ茶は、創業以来守り続けてきた伝統の技と現代の技術を融合させ、極上の一杯をお届けします。当店のほうじ茶は、厳選された茶葉を使用し、焙煎職人が丁寧に焼き上げることで、ほうじ茶特有の香ばしさとまろやかな甘みを引き出しています。

焙煎の温度や時間は、茶葉の状態に応じて微調整され、その細やかな配慮が他では味わえない奥深い風味を生み出しています。心を込めて作られた一杯を、ぜひご家庭でゆったりと楽しんでください。

 

森乃園のほうじ茶購入はコチラ

ブログに戻る