
香典返しは、故人への感謝と弔問者へのお礼を表す日本独自の習慣です。その中でも、お茶が香典返しとして長年愛されてきた理由をご存知でしょうか。 今回は大正3年創業のほうじ茶専門店森乃園より、香典返しの背景やマナー、お茶が選ばれる理由について詳しく解説しますので、是非ご覧ください。
香典とは?
そもそも香典とは亡くなった方の霊前に供える金銭を指します。もともとは仏前にお香を供えることを意味していましたが、現代では、お香の代わりに現金が香典として故人の家族に渡されるようになりました。これは、お香は遺族が準備できるため、その代金として現金を持参するようになったとされています。
香典返しとは?
受け取った香典へのお礼として用意するものが香典返しであり、一般的には葬儀当日にその場で返すまたは四十九日の忌明けに挨拶状とともに返します。
香典返しで守るべきマナーとは?
香典返しにはいくつかの守るべきマナーがありますので、続いてそれらについて見ていきましょう。
香典返しは半返しが基本
香典返しにかける金額は、香典で受け取った金額の三分の一から半分程度を目安に考えます。葬儀当日に香典を返す場合には香典の中身が分からないことから、高額な香典をくれた相手に後日、別途香典返しを贈るケースが多いです。 ただし、いただいた金額に見合わない香典返しは、相手の負担になってしまいますので、香典返しは高ければ良いというものではない点に注意しましょう。
香典返しには掛け紙を使う
「のし紙」は慶事の贈り物につけるものであり、香典返しのような弔事では「掛け紙」を使います。水引の形状は宗教や地域により異なるため、事前に確認しておきましょう。 一般的には、「白黒結び切り」の水引を選べば良いと考えられています。結び切りは、一度結ぶと引っ張っても解けないことから「二度と繰り返さない」という意味を持ちます。
香典返しでお茶が選ばれる理由とは?
香典返しとしては、定番としてお茶が選ばれるケースは多いのはなぜでしょうか?続いて、香典返しの品物としてお茶が適する理由を見ていきましょう。
香典返しは残るべきではない
香典返しはお祝いに対してのお返しではないので、長期的に残らない「消えもの」が良いと考えられています。口にしてなくなる、使用してなくなるものが香典返しの定番です。
日本人に馴染みがある飲み物
お茶は日本の伝統的な飲み物であり、他の飲み物と比較してお茶を嫌いな人は限られます。コーヒーやアルコールが苦手な方は一定数存在しますが、お茶が飲めない方は少数派だと言えるでしょう。万人受けする飲み物だという点も、お茶が香典返しに選ばれる理由の一つです。
嵩張らず日持ちする
お茶は軽く持ち運びしやすく、葬儀や法事で受け取った後に相手の負担になりません。また、多くのお茶は半年から一年以上の賞味期限が設定されており、急いで消費する必要がありません。
香典返しのお茶が持つ意味とは?
お茶が実用的であるという理由だけで、香典返しの品に選ばれているわけではありません。香典返しのお茶には、次のような意味が込められているのです。
仏教と深い関わりがある
お茶は中国から日本に伝わった飲み物です。中国では昔からお茶を薬として活用しており、僧侶が健康祈願のために仏壇にお茶を供えていました。日本でもその習慣が定着し、仏壇にお茶を供えるようになったのです。お茶と仏教には深い関わりがあると考えて良いでしょう。
故人との別れ・境界を示す
民家が密集していた地域でお茶の木を土地の境界を示すために活用しており、昔はお茶の木が垣根のような役割を果たしていました。そのため、香典返しのお茶には、あの世とこの世の境界線、つまり故人との別れを区切り、受け入れるという意味があります。同様の理由で、葬儀・法事・法要などのシーンでは、参列者にお茶が振る舞われることが多いです。
お茶以外の香典返しの品物とは?
お茶以外の香典返しの品物には、次のような商品が選ばれています。
お菓子・海苔
日持ちが長く万人受けするお菓子は、香典返しに使えます。年齢や性別で好き嫌いが分かれないものを選んでください。また、海苔は軽くて持ち運びしやすく、どのご家庭でも喜ばれるでしょう。
洗剤・タオル
洗剤は実用的であり「不幸を洗い流す」という意味も持ち、また、実用品であるため年齢問わず贈れます。タオルは消えものではありませんが、「悲しみを拭う」という意味があるため香典返しに選ぶ方もいます。
カタログギフト
カタログギフトであれば、受け取った方は自分好みのものを選べるため、受け取った相手が困ることがない贈り物として人気です。特に一人ひとり香典返しの種類を変更したいと考えている方は、カタログギフトの方が品物選びの時間を省けるでしょう。
香典返しとして送ってはいけないものとは?
香典返しに次のようなものを贈ると、相手を不快な気分にさせたり、失礼だと考えられる恐れがあります。お茶以外の香典返しを選ぶ時には、香典返しのタブーを知っておきましょう。ただし、カタログギフトの中に下記のような商品が含まれるケースは問題ありません。
肉や魚などの生物
肉や魚などの生物は殺生を連想させることから、香典返しでは避けなければいけません。これらの食品は「四つ足生臭もの」と呼ばれているのです。お祝い事などで取り入れられる食品も、お供えや香典返しには適さないと考えてください。
鰹節・昆布
おめでたい食べ物として結婚式の引き出物などで使われる鰹節・昆布は、香典返しに向きません。特に昆布には「喜ぶ」という意味があるため、実用的であっても香典返しには使わない方が良いでしょう。
商品券や金券
商品券や金券はカタログギフトのように実用的ですが、贈った金額がはっきり明示されてしまいます。そのため、受け取り手によっては現金を返されたような気分になる方もいるでしょう。相手に好きな品を選んで欲しいと考えているのなら、商品券や金券ではなくカタログギフトを選ぶべきです。
お酒類
贈り物の定番品であるお酒ですが、慶事の印象が強く香典返しには適しません。ただし、故人が好きだったお酒・故人がお酒を好む人だったなどの理由がある場合は、故人を偲ぶという目的でお酒を贈ることもできます。
パッケージや見た目が華やかなもの
お菓子やお茶でも、パッケージまたは商品自体が華やかなデザインの商品は香典返しに適しません。特に紅白を使ったデザインは、お祝いのようだと感じられてしまうでしょう。センスが良い香典返しを選びたいと考えている方も、落ち着いた印象のものを探すべきです。また、香典返し用に販売されている商品であれば、デザインやカラーも配慮されています。
香典返しにおすすめのお茶とは?
香典返しには煎茶以外のお茶を選ぶこともできますので、ほうじ茶のようなお子様からお年寄りまで飲みやすいお茶を選べば、相手に喜ばれるでしょう。また、故人が好んでいたお茶を選んだり、ゆかりのある産地のお茶を選ぶというのも良いでしょう。
まとめ:香典返しになぜお茶が定番になっているのか?
いかがでしたか?今回の内容としては、
・香典返しは、受け取った香典への感謝を表すための習慣
・半返しが基本とされ、掛け紙や品物選びには注意が必要
・お茶は「消えもの」であり、日持ちが良く、万人に親しまれるため香典返しとして適している
・お茶は仏教との関わりや境界を意味する象徴的な意味も持っている
・お茶以外では海苔、洗剤、カタログギフトなども香典返しに選ばれている
以上の点が重要なポイントでした。香典返しは、遺族の気持ちを伝える大切な機会です。故人の思いを込めながら、適切な品物を選び、心のこもったお返しを心がけましょう。
香典返しのお茶選びは森乃園の通販サイトで
森乃園では、香典返しにふさわしい上質なお茶を多数取り揃えています。煎茶やほうじ茶、玄米茶など、どなたにも喜ばれるお茶を厳選してご提供。お茶は「消えもの」として香典返しに適しており、仏教との深い結びつきや、故人との別れを象徴する意味も込められています。 また、森乃園では落ち着いた包装や掛け紙のサービスもあり、マナーを守った贈り物が可能です。さらに、通販なら忙しい方でも手軽に注文でき、直接相手に配送することもできます。香典返しに最適なお茶を探すなら、信頼の森乃園でぜひご購入ください。