仏壇に供えるお茶や水について~お供えにお茶はダメ?~


仏壇へのお供え、皆さんは正しくできていますか?

「何を供えればいいの?」「お茶でもいいの?」と疑問に思うこともありますよね。仏壇のお供物には、それぞれ意味があり、正しい方法で供えることで故人やご先祖様への供養になります。 今回は大正3年創業のほうじ茶専門店森乃園より、仏壇に供えるお茶や水をテーマに、お供物について広くお伝えしますのでぜひご覧ください。

 

 

仏壇にお供物をする意味とは?

まずは、仏壇にお供物をする意味を知りましょう。その意味を知れば、毎日お供物を用意する習慣を意味のあるものにできます。

「飲食供養」のため

仏壇にお供物をする意味は「飲食供養」(おんじきくよう)を目的としています。飲食供養では、日々食べる物に困らない暮らしをしていることを先祖や仏様に感謝し、敬意を示すために行われます。

お供物の基本は五供(ごく)

仏壇のお供物は基本的に五供(ごく)を用意します。 五供は、以下の5つのお供物を指します。 ・お線香 ・ロウソク ・花(葉) ・ご飯 ・お水(お茶) ただし、亡くなった方の喉の渇きを潤す役割を持つ水は、浄土真宗では不要だと考えられています。

 

五供の意味と役割とは?

この章では、仏壇のお供物である五供の意味や役割について詳しく説明します。

1.お線香:香

仏教では故人は香りを食べるという考えが存在することから、故人にお線香の香り・ご飯の湯気をいただいてもらうために、お線香を用意します。 また、お線香から立ち上がる煙は、あの世とこの世のつながりであり、お線香によって故人と対話できるという意味も持つのです。口から直接息を吹きかける行為は「不浄」とされるため、お線香をつける時の火は手であおいで消しましょう。

2.花

仏壇用の花は基本的に生花を用います。故人の好きだった花や故人に伝えたい気持ちの花言葉を持つ花を供えて、仏壇に手を合わせることで、故人と対話できる・気持ちを伝えられると考えられています。 仏花は種類が多く、宗派によって避けるべき花が存在しますが、以下のような特徴を持つ花は基本的に避けた方が良いでしょう。 ・香りが強すぎる花 ・毒性を持つ花 ・棘がある花 ・ツルに咲く花 花を仏壇に備える意味には、仏様を敬い修行の誓いを立てるというものもあります。

3.灯燭

ロウソクに火を灯すことを灯燭と呼びます。ロウソクの明かりは線香をつける・仏壇を明るくするだけでなく、暗い煩悩を捨て去り、明るい悟りに至るという意味を持つのです。ロウソクの火も、線香と同じように口ではなく手であおいで消してください。

4.浄水

お墓や仏壇にお水などを供えることを浄水と呼びます。浄水では、仏様に飲み物をお供えして、自分たちの心を浄化するのです。ただし、先ほどもお伝えしたように同じ仏教でも宗派によっては浄水をしないケースもあります。

5.飲食

飲食と書いて(おんじき)と読むお供物であり、家族と同じ主食を仏飯器に盛り付けます。基本的には、ご飯をお供えするケースが多いでしょう。 この際のご飯の盛り方は、宗派により異なります。事前に正しいご飯の盛り方を知っておいてください。また、お彼岸や特別な日には、故人の好きだった食べ物をお供えして故人を想うのも良いです。 それでも、次のような食べ物は、仏壇に供えないようにしてください。 ・匂いがきついもの ・腐りやすいもの ・肉魚・魚介類(殺生に関係する)

 

仏壇に供える飲み物はお茶ではダメ?

仏壇に供える飲み物としてお茶ではダメなのか?という点ですが、その点は問題なく、水またはお茶のどちらも良いと考えられています。水は清浄、お茶は故人の飲み物として別の意味を持つのです。このような理由から、お茶と水の両方を仏壇に供えるという手もあります。

仏壇に供えるお茶は一番茶

水道設備が整うまで、仏壇に供える水は井戸から一番目に汲んだ水を使っていました。現在では水道水で一番水、お茶の場合は一番茶を供えることが一般的になっています。

富士茶

特上ほうじ茶

 

仏壇にお供物をお供えする方法とは?

仏壇にお供物をする時には、ただ仏壇に水やお茶を置けば良いわけではありません。この章では、お茶・お水・飲食の正しいお供えの仕方をまとめました。

仏飯器を使う

仏壇にご飯やお水・お茶を供える時には、仏飯器を使います。あの世では現世のお茶碗は使用できないという考えがあるため、故人が生前に使っていたお茶碗を使うのは避けましょう。仏飯器にはさまざまな種類がありますが、どの器も足が付いており「召し上がっていただく」という敬意を示しています。

お水・お茶のお供えの仕方

お水やお茶の浄水は、お仏壇の中段にお供えします。お水とお茶の両方をお供えする際には、東側にお茶・西側に水を置くと良いでしょう。ただし、宗派により考え方が異なる可能性があります。

ご飯のお供えの仕方

ご飯は先ほどの浄水と同じように、仏飯器に盛って水とお茶の間に置きます。浄水が1種類の場合には、向かって左に水またはお茶・右にご飯を並べると良いでしょう。

 

仏壇にお供物をする・下げるタイミングとは?

仏壇にお供物をするタイミング・お供物を下げるタイミングが分からない方は多いです。それぞれのタイミングの目安を知っておきましょう。

お茶・お水をお供えするタイミングは毎朝1回以上

仏壇にお供物をするタイミングや頻度にルールはありません。しかし、毎朝一回炊き立てのご飯とお水・お茶をお供えできると良いでしょう。3食の度にお供えを変えられる方は、定期的にお供物を新しくすることをおすすめします。

ご飯は長く置いておく必要はない

仏様やご先祖様はご飯を食べるのではなく、湯気・香りをいただくと考えられています。そのため、ご飯をお供えした後は何時間も置かずに、湯気が出なくなったら下げると良いでしょう。長時間お供えしたご飯は固くなり、仏飯器を洗いにくくなります。

お供えしたものは食べると良い

ご飯に限らず、お供えした食べ物は仏壇から下げた後に食べて構いません。仏壇にお供えした食べ物は「仏様のお下がり」と言われ、食べ物に困らず感謝しているという行為にもなります。 ただし、食事のタイミングが合わなかった・衛生的な不安があるという方は、生ゴミとして処分しても良いです。

 

五供を供える順番とは

五供にはお供えの順番が決まっています。 正しい手順を把握しておきましょう。

 1. お茶またはお水を仏壇に供える 2. お花を供えるまたは花瓶の水を交換する 3. 蝋燭に火を灯す 4. お線香をあげて手を合わせる 5. 蝋燭の火を消す この際にお線香立てに立てたお線香は、燃え尽きるまでそのままにしておいてください。

 

お茶や水以外の飲み物をお供えできる?

お供物にお茶や水以外の飲み物として、故人が好きだったお酒・ビール・ジュースなどを使うこともあります。毎日お供えする浄水には水やお茶を使用し、特別な日に別途飲み物を用意しても良いでしょう。

 

代表的なお供物の例とは?

最後に、飲食のお供物に適した食べ物の例を紹介します。お供物には、痛みにくく匂いがないものを選ぶようにしてください。

・和菓子

・洋菓子(個包装のものまたは賞味期限が長いもの)

 ・フルーツ

また、命日や特別な日には、故人が好きだったもの、思い出のある食べ物などをお供えしながら、故人のことを想うと良いでしょう。

ほうじ茶羊羹

 

まとめ:仏壇に供えるお茶や水について~お供えにお茶はダメ?~

いかがでしたか?今回の内容としては、

・仏壇にお茶を供えるのはダメではない

・水は清浄、お茶は故人の飲み物として別の意味を持つ

・ご飯やお水・お茶は、仏飯器を使い正しい位置に供えることが大切

・お供物をするタイミングは毎朝が望ましく、湯気がなくなったら下げるのが基本

・特別な日には故人の好物を供えて、思いを馳せることも良い供養となる

 以上の点が重要なポイントでした。仏壇へのお供えは、故人やご先祖様への感謝の気持ちを形にする大切な習慣です。毎日のお供えを通じて、心穏やかに手を合わせる時間を持ちましょう。

 

お茶選びは森乃園の通販サイトで

森乃園では、煎茶やほうじ茶、玄米茶など、どなたにも喜ばれるお茶を厳選してご提供。お茶は「消えもの」として香典返しにも適しており、仏教との深い結びつきや、故人との別れを象徴する意味も込められています。 また、森乃園では落ち着いた包装や掛け紙のサービスもあり、マナーを守った贈り物が可能です。さらに、通販なら忙しい方でも手軽に注文でき、直接相手に配送することもできます。 

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