「ほうじ茶は妊娠中でも飲んでいいのだろうか…」
「ほうじ茶にはどれぐらいのカフェインが入っているのだろう…」
妊娠中でもほうじ茶を飲みたい…という方はいらっしゃいませんか?ほうじ茶にはカフェインが含まれていますが、果たして妊娠中であっても飲んで良いのでしょうか?
今回は、大正3年創業のほうじ茶専門店森乃園より、カフェインの働きや妊娠中のほうじ茶の飲み方について詳しく説明します。妊娠中の方はもちろん、妊活中・授乳中の女性が知っておくべき情報ですので、ぜひ参考にしてください。
カフェインとは何か?
カフェインは茶葉やコーヒー豆などに含まれる植物由来の成分で、眠気を覚ましたり疲労感を和らげたりする働きを持ちます。
しかし、過剰摂取を続けることで副作用が出る可能性があり、1日の推奨摂取量を守らなければいけません。特に妊婦・授乳中の女性や子供はカフェインへの感受性が高いため、注意してください。
カフェインの過剰摂取による副作用
カフェインを過剰摂取すると、震え・吐き気・脱水・めまい・心拍数の増加などの副作用が出る可能性が考えられます。
また、カフェインは覚醒効果を持つことから、就寝前の摂取により睡眠の質が下がったり入眠しにくくなったりする可能性があるのです。カフェインは妊娠の有無に限らず、推奨摂取量を守って口にするべきものだと考えてください。
カフェインを摂取するメリット
カフェインの摂取にはデメリットのみでなくメリットも存在します。そのため、現在では手軽にカフェインを摂取できるエナジードリンクや栄養ドリンクが人気を集めているのです。
<カフェインのメリット>
・疲労感を和らげて仕事の効率を高める
・眠気を覚まして集中しやすくする
・体内の余分な水分を排出してむくみを防ぐ
・脂肪の燃焼を促して運動の効果を高める
カフェインと言えば眠りにくくなるというイメージが強いですが、このように、カフェインには良い作用が多くあります。
妊婦がカフェインの過剰摂取に注意しないといけない理由
妊娠すると、「カフェインの過剰摂取に気をつけるように」という情報を目にする機会が増えると思います。妊婦がカフェインの過剰摂取に注意しなければいけない理由には、カフェインやその代謝物質が胎盤を通過して、胎児に影響を与える可能性があると考えられているためです。
ただし、適量を知りその範囲であれば問題はないとされているため、大切なことは妊婦のカフェイン推奨摂取量を知ることです。特に好きな飲み物を我慢してストレスを感じるのであれば無理をせず、適量を把握した上で口にした方が、精神衛生上良いでしょう。
ほうじ茶とはどのようなお茶のこと?
ほうじ茶とは、煎茶・番茶・茎茶などを高温で焙じて作られるお茶の総称であり、香ばしい香りと茶褐色の見た目が特徴的です。
焙煎の過程で緑茶特有の苦味や渋味が減り、誰にでも飲みやすいさっぱりとした口当たりになります。ほうじ茶は冷やしても美味しいため、手軽に購入できるペットボトル飲料としても人気を集めています。
1日にどのくらいの量のほうじ茶を飲んで良いのか?
ほうじ茶には少量のカフェインが含まれます。そのため、特に妊娠中の方は飲み過ぎに注意しなければいけません。続いて、ほうじ茶に含まれるカフェインの量と、1日に飲んで良いほうじ茶の量について見ていきましょう。
ほうじ茶に含まれるカフェインの量
一般的なほうじ茶には100mlあたり20mgのカフェインが含まれています。ですので、100mlあたり60mgのカフェインが含まれる一般的なコーヒーと比較して、カフェインが少ない飲み物だと言って良いでしょう。
カフェインの摂取目安量は健康な成人の場合、1日に400mgまでと考えられています。カフェインの含有量から計算すると、健康な成人は1日に2リットルまでのほうじ茶を飲めることになるのです。水分補給をほうじ茶で行っても、十分な量のほうじ茶を飲んで問題ないと考えて良いでしょう。
妊婦や子供が1日に飲めるほうじ茶の量
健康的な成人と比較して、妊婦や子供は1日に摂取して問題がないカフェインの量が少なくなります。妊婦・授乳中の女性は1日にカフェインの摂取量を200mgまでに抑えるべきだと考えられており、ほうじ茶は1日に1リットル程度を飲める計算です。
また、子供のカフェイン推奨摂取量については、以下を参考にしてください。
4〜6歳:45mgまで/1日(ほうじ茶225ml程度)
7〜9歳:62.5mgまで/1日(ほうじ茶312ml程度)
10〜12歳:85mgまで/1日(ほうじ茶425ml程度)
1日に摂取可能なカフェインの量を知っていれば、妊婦や子供も安心してほうじ茶を楽しめます。
ほうじ茶は他の飲み物と比較してカフェインが控えめ?
ほうじ茶はティータイムに口にする代表的な飲み物の中で、比較的カフェインの含有量が少ないという特徴があります。続いて、ほうじ茶と他の飲み物のカフェイン含有量を比べてみましょう。
カフェインを多く含む飲み物の例
1日のカフェイン推奨摂取量を守るためには、特にカフェインの含有量が多い飲み物を知り、どの程度それに含有しているのかを把握しておきましょう。
以下が、カフェインを多く含む飲み物になります。
1.玉露:100mlあたりカフェイン160mg
2.エナジードリンク:100mlあたりカフェイン30〜140mg
3.コーヒー:100mlあたりカフェイン60mg
4.紅茶:100mlあたりカフェイン30mg
玉露を毎日頻繁に飲む方は少ないと思いますが、玉露の場合は妊娠中に1日125ml程度しか口にできない計算になります。また、コーヒーにはほうじ茶の3倍ものカフェインが含まれているため、コーヒーが好きな方はカフェインの過剰摂取に注意するべきです。
ほうじ茶が持つ嬉しい効果
ほうじ茶には妊婦や妊活中の女性に嬉しい次のような効果があります。毎日の推奨摂取量を守って妊娠中もほうじ茶を楽しめば、プラスの効果が得られるのです。
ノーカロリーでカロリーコントロールにも最適
妊娠中には体が皮下脂肪を蓄えて胎児を守ろうとしたり、出産や産後に備えてエネルギーを残そうとする働きによって、体重が増えやすくなります。
そのため、妊娠中には質の良い食事から栄養を摂取しながら、カロリーをとり過ぎないように注意する必要があります。ほうじ茶はしっかりとした風味を味わえるお茶でありながら、ノーカロリーです。妊娠中のカロリーコントロールにも、最適な飲み物だと言えるでしょう。ちなみに、妊娠中の適正な体重増加量の目安としては、1週間に300~500g程度の増加とされています。
葉酸が含まれている
妊婦が十分に摂取すべき栄養素の一つに葉酸があり、特に妊娠初期には胎児の脳や神経管などの形成のために、葉酸は必要であるとされています。その葉酸が、ほうじ茶には豊富に含まれています。
リラックス効果がある
ほうじ茶は茶葉を焙じる過程で「ピラジン」という成分が生まれます。このピラジンはほうじ茶の香ばしい香りの元であり、脳をリラックスさせる作用を持っています。
そのため、ナーバスになりやすい妊娠期のリラックス方法として、ほうじ茶が適しているとも言えます。出産や産後に不安を感じる方でも、ほうじ茶の香りに包まれるリラックスタイムを作ることで、落ち着いた気持ちで毎日を過ごせるでしょう。
血流を良くして体を内側から温める効果
体の冷えは妊婦に多くの悪い影響を与え、腰痛・便秘・むくみの原因にもなり得ます。しかし、妊娠中は大きくなった子宮のせいで骨盤内に物理的余裕がなくなり、全身の血流が悪くなることで、体が冷えやすい状態に陥ります。
ほうじ茶に含まれるピラジンは、血流を良くして妊婦の冷えを改善する働きを持ちますので、特に体の冷えが強いと感じる時には、温かいほうじ茶を口にすると良いでしょう。
口の中をさっぱりさせる効果
妊娠中の女性の体はお腹周りのみでなく全体でさまざまな変化が起こります。妊婦は女性ホルモンの影響を受けて唾液の量が減り、歯周病菌が増えてしまうのです。
結果的に、口の中にねばつきを感じたり口臭がひどくなったりするまたは、歯周炎・虫歯リスクも高くなります。ほうじ茶に含まれるカテキンは、虫歯の原因菌の一つであるミュータンス菌の増殖を抑えて口内を清潔に保つ作用があります。
さらにほうじ茶を飲むと、口の中に残る脂っこさも洗い流されるため、口内の不快感を改善できるでしょう。
妊娠中に避けるべき飲み物
最後に、妊娠中に避けるべき飲み物を見ていきましょう。妊娠中には、次のような飲み物を控えてくださいね。
体を冷やす飲み物
先ほどもお伝えしたように、妊娠中の体は冷えやすい状態になっています。冷えは妊娠中のトラブルを招く原因の一つです。氷が入った冷たい飲み物ばかりを飲んでいると、水分摂取と同時に体を冷やし続けてしまうことになるでしょう。
妊娠中には、なるべく常温や温かい飲み物を飲むようにしてください。
糖分が多過ぎる飲み物
妊娠中は糖分が多く含まれる甘い飲み物・食べ物を控えるべきです。甘い物はカロリーが高いだけでなく、糖質が血糖値を上昇させて妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群の原因になる可能性があります。
甘い物が我慢できないという方は、小分けにして食べる、フルーツで代用するなどの方法を取り入れると良いでしょう。
アルコール
アルコールは胎盤を通じて胎児の血液に入り込んでしまうため、少量であっても妊娠中に口にしてはいけない飲み物です。また、母乳にも移行することから、授乳中の女性もアルコールを飲んではいけません。
まとめ:カフェイン含有のほうじ茶は妊娠中に飲んでも大丈夫?
いかがでしたか?今回の内容としては、
・妊婦中にほうじ茶を飲んでも問題ないが飲み過ぎには気を付けること
・ほうじ茶には少量のカフェインが含まれている
・妊婦・授乳中の女性は1日にカフェインの摂取量を200mgまでにする
・ほうじ茶には葉酸が含まれている
以上の点が重要なポイントでした。妊娠中は食べ物に気を付ける必要があり、カフェインもその一つです。ほうじ茶は少量ながらカフェインが含まれていますが、通常口にする程度では問題になりません。しかし、気になる方はノンカフェインのほうじ茶を選び、リラックスタイムに飲まれてみてはいかがでしょうか?
森乃園ではノンカフェインのほうじ茶もご用意
森乃園では、ノンカフェインのほうじ茶として下記のラインナップをご用意しております。
・レモングラスほうじ茶
・杜仲ほうじ茶
・どくだみほうじ茶
・ルイボスほうじ茶
・カモミールほうじ茶
・桑の葉ほうじ茶
・よもぎほうじ茶
ノンカフェインなので、妊娠中の方やカフェインを控えたい方にも安心してお飲みいただけます。ほうじ茶特有の香ばしい香りとまろやかな味わいが、リラックスタイムにぴったり。毎日の健康習慣として、心地よいひとときをお楽しみください。