むくみは、現代生活において多くの人が抱える悩みの一つです。デスクワークや運動不足、さらには塩分の摂り過ぎなど、日常のさまざまな要因がむくみを引き起こしやすくしています。
むくみが続くと不快感を感じるだけでなく、健康に悪影響を及ぼす可能性もあるため、正しい知識を持って適切に対処することが大切です。
今回は大正3年創業のほうじ茶専門店森乃園より、むくみの原因やメカニズム、改善に役立つ食べ物やお茶、さらには日常生活で心掛けたい対策について詳しく解説します。
むくみとは何か?
むくみは、人間の体の中の水分バランスが崩れ、皮膚や皮膚の下に水分が溜まる状態のことであり、医学用語ではむくみのことを「浮腫(ふしゅ)」と呼びます。一般的に、顔や足、手などの部位で見られやすく、血液やリンパの流れが悪くなると、体が水分を十分に排出できずむくみやすくなります。
むくみは一過性である場合が多いですが、むくみにより衣類や履き物がキツくなったり、だるさを感じるなどの不快感につながります。
むくみが起こるメカニズム
私たちの体に必要な栄養素や酸素は、血液が体の隅々まで運び届けています。そして、栄養素や酸素を運んだ血液は細胞から二酸化炭素と老廃物を受け取り、心臓に戻るという作業を繰り返し続けています。
この働きは、体の筋肉が動くことで促進されます。しかし、運動不足やデスクワークにより筋肉を動かす機会が少なくなると、体の血流が低下してしまいます。結果的に、体内の水分の巡りも悪くなり、重力の影響を受けた水分が下半身に溜まっていくのです。
むくみが起こる原因
続いて、むくみの原因について見ていきましょう。
運動不足・筋力の低下
運動不足による筋力の低下は、代表的なむくみの原因です。特に足は体の中でも心臓から離れた場所にあり、デスクワークなどで動かない時間が長くなると、血流が滞ってむくみが起こりやすくなります。
また、ふくらはぎの筋肉は本来ポンプのような役割を持ち、重力に逆らって血液を心臓に流すのですが、その筋力が衰えれば、ポンプ機能が低下して心臓に血液を戻す効率が悪くなってしまいます。
塩分の摂り過ぎ
人間の体には、体内の塩分濃度を一定に保つ機能があるため、塩分が多い食事を食べると、水分を体内に蓄えて塩分量を一定に保つように働きます。そのため、普段から濃い味付けの食事を好む方は、むくみやすいと言えるでしょう。
飲酒
お酒を飲み過ぎると、人間の血管は拡張して水分が血管外に漏れ出しやすい状態になります。さらにお酒と一緒に食べるおつまみは濃い味付けのメニューが多いため、むくみやすくなってしまいます。お酒を飲む時には、アルコールの量とおつまみに注意しましょう。
ホルモンの影響
女性の場合、月経前に体が水分を溜め込みやすい状態になるため、むくみが起こることもあります。同様に、妊娠中の女性もむくみに悩まされるケースが多いです。
病気によるむくみ
生活習慣や食事ではなく、病気が原因でむくみが起こる方もいます。むくみの症状が出る代表的な病気は、以下を参考にしてください。
・心不全
・腎不全
・甲状腺機能低下症
・下肢静脈瘤
・深部静脈血栓症
・リンパ浮腫
むくみを「治療の必要がない困り事」と考えず、ひどいむくみが続く時には病気の可能性も疑うべきでしょう。
むくみケアに効果的な栄養素とは?
続いて、むくみケアに効果的な栄養素を紹介していきます。むくみを予防改善するためには、次のような栄養素を積極的に摂取しましょう。
カリウム
カリウムはむくみ予防効果がある代表的な栄養素です。細胞内外の水分量を調節する働きがあり、体内から塩分を排出させることができます。カリウムは加熱により水に溶け出してしまうため、生の野菜やフルーツから摂取する必要があります。
【カリウムを多く含む食べ物】
・バナナ
・ほうれん草
・きゅうり
・小松菜
・里芋
・スイカ
・さつまいも
ビタミンB群
ビタミンB群には水分代謝を活発にする働きがあるのですが、それが不足してしまうと、むくみが起こりやすくなります。
【ビタミンB群を多く含む食べ物】
・肉類
・魚類
・豆類
・乳製品
むくみケアに役立つお茶
続いて、むくみケアに役立つお茶を見ていきましょう。
トウモロコシのひげ茶
トウモロコシのひげ茶は名前通りトウモロコシのひげ部分を天日干し、乾煎りして作ったものであり、カリウムが豊富に含まれているため利尿作用があることからむくみ改善に効果的です。
また、トウモロコシのひげではなくトウモロコシで作られるお茶にも、同様の効果がありますが、ひげ茶の方が食物繊維が多いため、便秘気味で食物繊維も意識したい…という方は、ひげ茶を選ぶと良いでしょう。
煎茶
煎茶は日本で飲まれている代表的なお茶の一つです。煎茶に含まれるカフェインは利尿作用を持ち、体内の余分な水分と老廃物を排出することでむくみを改善する効果が期待できます。また、煎茶にはビタミンCが豊富に含まれており、飲むことでコラーゲンを生成してメラニン色素を薄くする効果も期待できます。
どくだみ茶
どくだみは昔から「十薬」と呼ばれる万能な薬草として重宝されており、花・茎・葉の全ての部分を薬として使えます。
どくだみ茶には、クエルシトリン・カリウム・クエルセチンという成分が含まれており、利尿作用があるため、デトックス効果が期待できます。また、むくみの改善以外に、冷え性や便秘解消・老化防止作用があるとされています。
玉露
玉露は日本茶の中でも特に多くのカフェインを含む飲み物であり、100mlに120mgものカフェインを含んでいます。また、カリウムも豊富に含んでいるため、ナトリウムを尿として排泄することでむくみの改善が期待できます。しかし、玉露はコーヒーよりもカフェインが含まれている点から、過剰摂取には注意しましょう。
ほうじ茶
茶葉に熱を加えて焙じたお茶であるほうじ茶は、他の日本茶と比較してピラジンが多く含まれており、このピラジンには、血行を促してむくみ改善に期待が持てます。また、苦味や渋みが少ないことから、お子様や大人まで飲みやすく、独特の香ばしい香りにはリラックス作用があるため、ストレスを感じる方にもおすすめです。
むくみを解消するためにおすすめの行動とは?
むくみ解消にはお茶や食べ物のみでなく、生活習慣の見直しも大切です。続いて、むくみの予防改善におすすめの行動を紹介します。
適度な運動により筋肉不足を予防する
運動不足により下半身の筋肉量が減少すると、血行が悪くなりむくみやすい状態になるわけですが、特に女性は男性よりも筋肉量が少ないことから、むくみに悩む方が多くいらっしゃいます。また、筋肉量は加齢とともに減っていくため、普段から積極的に運動をするべきものですが、激しい運動ではなくウォーキングやストレッチを習慣化させるだけでも、一定の効果が期待できるでしょう。
マッサージやツボ押しをして血流を良くする
マッサージやツボ押しで血流を改善すれば、むくみ改善効果が期待できます。特にお風呂上がりの体が温まった状態でのマッサージやツボ押しは、高い効果が得られるでしょう。
湯船に浸かって体をしっかり温める
シャワーではなく湯船にしっかり浸かって体を芯から温めると、血行が良くなりむくみの改善につながります。具体的には、38〜40度程度のぬるめかつ少なめの湯量のお風呂に、ゆっくり浸かるようにしてください。同時にマッサージをすると、より血行促進効果が高まります。
十分な睡眠時間を確保する
睡眠不足により体が横になる時間が少なくなると、下半身に疲労が蓄積されて血流が悪くなる可能性があります。特にむくみがひどい時には、枕やクッションを足の下に敷いて心臓よりも高い位置に上げ、血流が心臓に戻りやすい環境を用意するのがポイントです。
普段から体を冷やしすぎないように注意する
体の冷えは、全身の血行を悪くする可能性があります。特に心臓から離れた位置にある下半身は冷えやすいため、靴下や膝掛けなどを使用して冷やさないようにしてください。体の冷えはむくみだけでなく、血流を悪くしたり、代謝を下げるなどさまざまな不調の原因になります。
水分を控えることはむくみを悪化させる可能性がある
むくみに関する誤った知識として、「むくみの改善のために水分を控える」という行為があります。水分を摂り過ぎると一時的にむくみが発生する可能性があるものの、水分が不足した体は体内の水分量を維持する目的で、水分を溜め込んでしまいます。そのため、むくみを改善させたいと考えている方は、水分の摂取量を減らさないように注意しましょう。
まとめ:むくみケアに役立つお茶といえば?むくみケアにはどんな栄養が良い?(煎茶・玉露・どくだみ茶など)
いかがでしたか?今回の内容としては、
・むくみは体内の水分バランスの崩れによって発生する
・運動不足や塩分過多、ホルモンバランスの変化などがむくみの原因となる
・カリウムやビタミンB群など、むくみの改善に役立つ栄養素を積極的に摂取すると良い
・トウモロコシのひげ茶や煎茶、どくだみ茶などのお茶にはむくみを解消する効果が期待できる
・適度な運動やマッサージ、湯船に浸かる、十分な睡眠などもむくみ改善に有効
以上の点が重要なポイントでした。むくみケアは様々な方法がありますが、水分は毎日摂取しなければならないものなので、お茶でケアするのは賢い選択であると言えるでしょう。
森乃園では多彩な種類のお茶を取り揃えております
森乃園では、多彩な種類のお茶を取り揃えており、緑茶やほうじ茶、そして特選のブレンド茶まで、各種お茶が楽しめます。また、むくみケアに良いとされる、どくだみほうじ茶もご用意しております。
それぞれのお茶は厳選された茶葉を使用し、職人が心を込めて仕上げていますので、お好みに合わせて選んで、ぜひお茶の世界を堪能してください。