
日本には多くのお茶がありますが、特に「ほうじ茶」と「麦茶」は、香ばしい風味が特徴のお茶として親しまれています。
しかし、この二つのお茶には原料や味わい、成分に大きな違いがあります。 今回は大正3年創業のほうじ茶専門店森乃園より、ほうじ茶と麦茶の特徴や違いを詳しく解説し、どんなシーンに適しているのかをご紹介します。
ほうじ茶の特徴とは?
ほうじ茶は一般的な緑茶と色や風味が異なりますが、同じ茶葉から作られているもので、煎茶・茎茶を含む番茶などを強火で焙じて製造しています。この焙煎過程で、アミノ酸・カテキン・カフェイン・ビタミンCが減少します。
ほうじ茶の味は渋み・苦味がなくさっぱりしている
ほうじ茶は、焙煎過程で渋み成分であるカテキン・苦味成分であるカフェインが減少することから、さっぱりとした味わいです。そのため、小さいお子様からお年寄りまで誰にでも飲みやすいテイストだと言えるでしょう。実際に、保育園や幼稚園での飲み物として、ほうじ茶が活用されるケースもあります。
ほうじ茶の香りにはリラックス効果がある
ほうじ茶の香りには、ピラジンという成分が含まれています。ピラジンには人の心をリラックスさせる作用があり、ほうじ茶を飲むことで穏やかな気持ちになれるでしょう。ピラジンは香ばしいほうじ茶の香りを作ります。
胃腸が弱い方でも飲みやすい
ほうじ茶は焙煎過程でカフェイン・タンニンが減少するために、他のお茶よりも胃腸への刺激が抑えられます。胃腸が弱い方は体調が悪い時でも、ほうじ茶であれば安心して口にできます。ほうじ茶を入院中の食事に合わせて提供する病院も多いのです。
麦茶の特徴とは?
次に、麦茶の特徴について見ていきましょう。
麦茶は麦から作られる
麦茶の原料は、小粒大麦・大粒大麦・はだか麦などです。麦茶は、原料麦を焙煎機に入れて2〜3回程度高温の中で煎り上げて作られます。さらに粉砕加工をしてティーバッグに詰めた上で、市場に出回っています。
麦茶にはカフェインやタンニンが含まれていない
麦茶にはカフェイン・タンニンなどの成分が含まれていないため、カフェインの摂取に注意するべき妊婦・赤ちゃん・年配の方でも安心して飲めます。特にカフェインの摂取を避けたいと考えている方は、麦茶を飲むと良いでしょう。
ビタミン・ミネラルなどの健康成分が含まれている
麦茶には、以下のような健康成分が含まれています。 ・ビタミンB群:エネルギー代謝を向上させる ・マグネシウム:骨や歯を構成して、筋肉・神経の機能を維持する ・カリウム:体の中にある余分なナトリウム(塩分)を排出する ・リン:骨や歯を構成して、エネルギー代謝を高める ・カルシウム:骨や歯を構成して、心筋の収縮を促進する ・メラノイジン:虫歯を予防する 普段から口にする飲み物を麦茶に変えることで、健康促進効果が得られるでしょう。
ほうじ茶と麦茶の違いとは?
ほうじ茶と麦茶はどちらも焙煎されたお茶ですが、ほうじ茶は番茶など・麦茶は麦が原材料です。それぞれの香りや味わいは異なるため、自分好みのお茶を選んでください。苦味・渋みだけで考えると、ほうじ茶の方が誰にでも飲みやすいテイストだと言って良いでしょう。
ほうじ茶と麦茶の飲み方の違い
・ほうじ茶:温かく飲むことが多いが、冷やしても美味しい
・麦茶:基本的に冷やして飲むことが多い
ほうじ茶はホットで飲むことで、香ばしさが引き立ちますが、アイスほうじ茶もすっきりとした味わいで人気です。麦茶は主に夏に冷やして飲まれることが多く、爽やかな味わいで暑い時期にぴったりです。
香りや味の違い
ほうじ茶:焙煎による香ばしさがあり、料理との相性も良い
麦茶:麦独特の甘みと香ばしさがあり、クセが少ない
ほうじ茶は焙煎されているため、独特の香ばしい香りとすっきりとした味わいが特徴です。一方、麦茶は甘みを感じやすく、苦味や渋みがほとんどありません。
ほうじ茶・麦茶を選ぶ時の注意点とは?
ほうじ茶と麦茶のどちらを日常的に飲もうか悩んでいる方は、以下の注意点も知っておいてください。
ほうじ茶には少量のカフェインが含まれる
ほうじ茶を含む緑茶には、少量のカフェインが含まれます。その量は100ml中に20mg程度であり、コーヒーの3分の1程度です。 健康な成人は1日に400mg程度カフェインを摂取しても問題ないと考えられているため、ほうじ茶のみでカフェインを過剰摂取する可能性は低いものの、他の飲み物との組み合わせに注意するべきです。また、妊娠中の方やお子様はカフェインへの耐性が低いことから、ほうじ茶を薄めて飲むと良いでしょう。
麦茶にはアレルギーの可能性がある
麦茶に含まれる麦・小麦にアレルギーを持つ方は多いです。大麦アレルギー・小麦アレルギーの診断が下りている方は、基本的に麦茶を飲まないようにしてください。
麦茶のアレルギー反応には、蕁麻疹・嘔吐などがあります。このような理由から、初めて赤ちゃんに麦茶を飲ませる時には、麦茶を薄めて少量から試してみてください。体調に異常が現れた時には、すぐに麦茶の摂取を中止します。
タイプ別:ほうじ茶と麦茶の活用方法とは?
用途に合わせてほうじ茶と麦茶を使い分ければ、いつでも美味しいお茶を楽しめます。この章では、タイプ別のほうじ茶・麦茶の活用シーンを紹介します。
ほうじ茶に適した用途
ほうじ茶は次のようなシーンに適しています。
・さっぱりとした飲み物が飲みたい時
・温かいお茶を飲んでリラックスしたい時
・お菓子と一緒にお茶を飲む時
・子どもや年配の方にお茶を出す時 特にほうじ茶は、リラックスタイムに活用するお茶として使いやすいです。
麦茶に適した用途
麦茶は以下のシーンで活用しやすいです。
・暑い日に冷やして飲むお茶として活用する
・スポーツ中の水分補給として
・食事と一緒にお茶を飲む時
・カフェインを摂取するべきではない妊婦さんや小さい子ども用のお茶
麦茶はノンカフェインであるため、妊娠中の方や小さなお子様にも安心して飲んでもらえます。
ほうじ茶・麦茶以外の香ばしい香りを楽しめるお茶とは?
ほうじ茶と麦茶の共通点は「香ばしい香り」です。この章では、ほうじ茶と麦茶以外の香ばしい香りを持つお茶を紹介します。
玄米茶
玄米茶は、番茶などの茶葉に炒った玄米または他の穀物をブレンドしたお茶です。手頃な価格帯の商品が多いですが、抹茶や玉露をブレンドした高級な玄米茶も存在します。玄米の香ばしい香りを楽しめるだけでなく、お米ならではのとろりとした独特の味わいのお茶に仕上がります。
強く焙煎された烏龍茶
烏龍茶の中でも強く焙煎されたものは、ナッツのような香ばしい香りを楽しめます。烏龍茶は半発酵という作り方で製造されており、豊富なポリフェノールが含まれています。
まとめ:ほうじ茶と麦茶の違いとは?香りや味の違いなど
いかがでしたか?今回の内容としては、
・ほうじ茶は緑茶を焙煎したもので、香ばしくさっぱりした味わい
・麦茶は大麦を焙煎して作られ、ノンカフェインで飲みやすい
・ほうじ茶はリラックス効果があり、温かく飲むのが一般的
・麦茶は夏に冷やして飲むことが多く、水分補給に適している
・ほうじ茶はカフェインが少量含まれるが、麦茶は完全なノンカフェイン
以上の点が重要なポイントでした。ほうじ茶と麦茶、それぞれに異なる魅力があります。自分のライフスタイルや好みに合わせて、最適なお茶を選んでみてください。
大正3年から続く老舗の味をぜひ一度お試しください
森乃園の自家焙煎ほうじ茶は、創業以来守り続けてきた伝統の技と現代の技術を融合させ、極上の一杯をお届けします。当店のほうじ茶は、厳選された茶葉を使用し、焙煎職人が丁寧に焼き上げることで、ほうじ茶特有の香ばしさとまろやかな甘みを引き出しています。 焙煎の温度や時間は、茶葉の状態に応じて微調整され、その細やかな配慮が他では味わえない奥深い風味を生み出しています。心を込めて作られた一杯を、ぜひご家庭でゆったりと楽しんでください。