
お茶を飲むことは、健康に良いとされる多くのメリットがありますが、一方で「歯の着色」という気になる問題を引き起こすこともあります。特に、日常的にお茶を楽しむ方にとって、この着色汚れは避けられない悩みの一つかもしれません。
今回は大正3年創業のほうじ茶専門店森乃園より、お茶による歯の着色の原因やその仕組み、さらに効果的な予防・対策方法について詳しく解説します。毎日の飲み物を安心して楽しむためにも、ぜひ最後までご覧ください。
お茶で歯に着色する理由とは?
ポリフェノールは植物に含まれる苦味・渋み・色素成分であり、抗酸化作用・抗炎症作用など体に嬉しい働きを持ちます。しかし、ポリフェノールが歯に沈着することで、着色汚れの原因になってしまう性質があります。 ポリフェノールによる歯の着色プロセスは、以下の通り。 1. ポリフェノールが歯の表面のタンパク質であるペリクルに付着する 2. ペリクルとポリフェノールが反応して色がつく 3. 歯のエナメル質がイオン結合する イオン結合した着色汚れは、丁寧に歯を磨いても落ちません。
ペリクルは歯の表面を守る役割を持つ
本来ペリクルは歯の表面を覆い、歯を保護する役割を持ちます。しかし、色素を取り込みやすい性質を持つことから、ポリフェノールとの相性が悪いと言えます。
お茶で着色した歯をきれいにする方法とは?
すでにお茶のせいで歯の色が変わってしまった時には、次のような取り組みが効果的です。
自宅でセルフケアする
歯の着色が軽度な場合は、セルフケアで気になる着色を目立たなくできます。 ・ホワイトニング成分配合の歯磨き粉を使う ・歯専用の消しゴムを使う ・電動歯ブラシで歯磨きをする また、歯と歯の隙間に茶渋がつきやすい方は、歯間ブラシやデンタルフロスを活用すると良いでしょう。ただし、歯を強く擦り過ぎたり傷つけたりしないように注意してください。 ※これらの方法は軽度な着色汚れに対して効果が期待できる一方で、頑固な汚れには歯科医院での対応が必要です。
歯科医院でクリーニングしてもらう
セルフケアで歯の着色が改善しない場合は、歯科医院で歯をクリーニングまたはホワイトニングしてもらいましょう。 歯科医院には着色汚れの原因である歯石の除去や、歯の表面を磨くなどの施術を依頼できます。歯科医院での着色汚れ除去は、虫歯を予防する効果も得られるでしょう。 また、現在ではより歯を白くするためのさまざまな施術が開発されており、短時間で真っ白な歯を手に入れることも可能です。歯の着色が気になる方は、歯科医院に相談してみましょう。
お茶で歯の色が変わってしまう問題を防ぐ方法とは?
歯の色が変わってしまう前に、普段の行動で着色汚れをつきにくくすることも可能です。どの取り組みも簡単にできることなので、普段から意識すると良いでしょう。
お茶を飲む前に水で口をゆすぐ
口の中が乾燥している状態でお茶を飲むと、歯の表面に汚れが付着しやすくなります。お茶を飲む前に口をゆすぐ・軽く水を飲むと、口の中の渇きを改善できるでしょう。
お茶を飲んだ後に口をゆすぐ・歯を磨く
お茶を飲む前だけでなく、飲んだ後にも口をゆすぐ・水を飲むと、歯の表面に付着した汚れを洗い流せます。また、歯磨きをして汚れを取りのぞけば、より効果的でしょう。ただし、あまりに頻繁な歯磨きは歯茎や歯にダメージを与えるため、お茶を飲むたびに歯を磨くことはおすすめできません。
キシリトールガムを噛む
虫歯の原因になりにくいキシリトールガムを活用して唾液を増やし、歯の表面の汚れを洗い流すという手もあります。ガム自体が着色汚れを取り除くわけではありませんが、気になる汚れをつきにくくしてくれます。
寝る前にお茶を飲まない
睡眠中は唾液の分泌量が少なくなることから、特に就寝前にお茶を飲むと、歯に着色汚れがつきやすくなります。お茶に含まれるステインが虫歯の原因になる可能性もあるため、歯磨き後、寝る前の飲み物は水に限定するべきでしょう。夜間にお茶が飲みたい方は、歯磨き前に済ませておいてください。
定期的に歯をクリーニングする
歯科医院で定期的に歯をクリーニングし、歯の汚れが少ない状態を維持していると、着色汚れがつきにくくなります。虫歯予防にも効果があるため、定期的に歯科医院を活用してください。
お茶以外が理由で歯に色がついてしまうことはある?
お茶以外にも、着色リスクが高い飲み物・食べ物が存在します。歯の色が気になるという方は、普段から次のような飲み物・食べ物を口にし過ぎない、飲食前後に口をゆすぐなどの工夫をしてください。
着色リスクが高い飲み物・食べ物
ここでは、歯に色がつきやすい飲み物と食べ物を紹介します。
・コーヒー ・紅茶 ・ウーロン茶 ・緑茶 ・赤ワイン ・チョコレート ・ミートソース ・カレー 飲み物・食べ物ではありませんが、タバコも歯の色を悪くします。
特に食後のコーヒーやタバコが習慣化している方は、注意するべきです。
歯に着色しにくい代表的なお茶とは?
続いて、歯に着色しにくい代表的なお茶を紹介します。
ほうじ茶
ほうじ茶は茶葉を焙煎して作られるお茶であり、独特の香ばしい香りを楽しめ、ほうじ茶に含まれるタンニン(ポリフェノール)の量は、煎茶や玉露よりも少ないです。 タンニンの量は100mlあたり、ほうじ茶は40mg、煎茶は70mg、玉露は230mg程度とされ、ほうじ茶はタンニンの量が少ない分、歯の着色リスクも低くなると言えます。また、ほうじ茶の香ばしい香りの成分であるピラジンには、リラックス効果があり、心と体を休められます。
麦茶
麦茶は茶色いため歯が茶色くなりやすいイメージがありますが、タンニンが含まれていないことから、他のお茶よりも着色リスクが低いです。苦味がなく一度に大量に作りやすいという特徴を持ち、保育園や幼稚園でも活用されています。
ルイボスティー
ルイボスティーはお茶自体が赤色をしており、麦茶と同じように着色しやすいイメージが強いです。しかし、実際にはタンニンが少なく着色しにくいお茶の一つです。
タンニンの健康効果とは?
歯の着色汚れの原因であるタンニンは悪い成分ではありません。タンニンが健康維持に効果的な次のような働きを持つことを知っておきましょう。
抗酸化作用
タンニンは、増え過ぎることで細胞を傷つけ老化の原因になる「活性化酸素」の働きを抑制する作用を持ちます。
収れん作用
タンニンはタンパク質を変性させて血管や組織を縮める「収れん作用」を持ちます。この作用により、タンニンを皮膚に塗ると毛穴や汗を分泌する皮脂腺を引き締められるのです。現在では、複数の化粧品にタンニンが配合されています。
まとめ:お茶による歯の着色について!原因や落とし方などを紹介!
いかがでしたか?今回の内容としては、
・お茶に含まれるポリフェノールが歯に着色汚れを引き起こす原因となる
・軽度な着色汚れはセルフケアで改善可能だが、頑固な汚れには歯科医院でのクリーニングが効果的
・お茶を飲む前後に口をゆすぐ、定期的に歯をクリーニングするなどの習慣で予防が可能
・着色リスクの低いお茶(ほうじ茶、麦茶、ルイボスティー)を選ぶこともおすすめ
以上の点が重要なポイントでした。お茶は私たちの生活に欠かせない存在ですが、その魅力を損なうことなく歯の美しさを保つ工夫が必要です。本記事を参考に、歯の健康と美しさを両立させながら、これからもお茶を楽しんでください。日々のちょっとした習慣が、明るい笑顔を守る鍵となるでしょう。
本物のほうじ茶をお試しください
自家焙煎の技術で香ばしい香りと深い味わいを実現した森乃園のほうじ茶。丁寧に選ばれた茶葉を独自の焙煎方法で仕上げ、世代を問わず愛されています。カフェイン控えめで体にも優しく、リラックスしたいときにぴったり。お茶の本当の美味しさをぜひ森乃園のほうじ茶でお確かめください。